堀江社長動く、(屋外)無線LANへの参入~今後の無線LANの可能性は?? | 「九紫火星」製作委員会

堀江社長動く、(屋外)無線LANへの参入~今後の無線LANの可能性は??

ライブドア堀江社長、「D-cubicは孫さんの低価格ADSLのモバイル版」

>堀江社長は、「初めてインターネットに繋いだときは9,600bpsと遅かったが、それでもインターネットで世の中と繋がっている感覚を共有することはエキサイティングだった」とコメント。「今では接続スピードも上がっているが、固定だけでは十分だとは思っていない。誰もが日常のインフラとして意識せずにインターネットを使うためには、モバイルのインターネット環境は必要不可欠だ」との考えを示した。
ソフトバンクBBのYahoo! BBを例に取り、「孫さんが月額2,000円台という低価格のADSL環境を実現したおかげでインターネット市場が広がった。D-cubicはそのモバイル版だ」とコメント。「ADSLよりも飛躍的に安く、一部のサービスは無料で使える。何よりも私自身が待ち望んでいたサービスだ」と自信を示した。


よほどの自信があるんだな・・・これが私の第一印象でした。無線LANに限らず、有線(メタル回線・光ファイバー網)を自社で持つということは、それだけコストが増大し、リスクが増すということに他ならず、特に通信の世界では、加入者(利用者)がいなければ、ただの線になりかねない。


これまで、NTTをはじめ様々な企業が屋外無線LANサービス事業に参入してきた。また、丸の内や秋葉原では、特定の範囲をまるまる無線LANエリアで囲む(ホットスポットからホットエリアへ)取り組みもされてきた。しかしながら、利用会社ごとに加入手続きが必要であったり、速度が遅い、料金が高いなどの理由により利用者数伸び悩んでいた。ホットエリアに関しては、導入したはよいが、使い道(都市から情報を発信するのか?)がはっきりせず、有効に利用されていないようだ。


やはり、利用者の需要が無い状態でインフラだけ整備しても、普及はしないということではないだろうか?


丸の内や秋葉原の例で言えば、サービス提供企業側からのアプローチによって実現したサービスであり、その都市へやって来る人々や、その都市で働く人々からの声で導入されたものでは無いらしい。


こうした状況の中、今回のライブドアの参戦は、これまでの参戦方法とは異なっている。

まず、電力系通信会社であるパワードコムと提携していることである。パワードコムの強みは何といっても「電柱」を持っていること。これは非常に強力である。KDDIやUSEN、CATV会社が自前で光ファイバー網を引いているが、地中化している場合を除き、みな電柱を利用している。もちろん有償で。おそらく、今回の提携により、ライブドアは無償で(もしくは、ほぼ無償で)電力会社が持つ電柱を利用できるのだろう。さらには、その電柱に繋がっている「光ファイバー網」や「電力線:電力線ネットワーク(PLC) も利用できる。


Li-LAN

このビジネスモデルは、堀江社長も言っているように"Yahoo!BB(光)"と同じである。必要最小限のモノ(Yahooの場合はモデム、ライブドアの場合はアクセスポイント)を用意し、あとは自社・他社問わず既存のインフラを利用する。実現するには様々な労力が必要であるが、実現すれば、これほどコストが安く済む方法は無い。


結果、月額525円という低価格が実現しており、これだけ安ければ、下記の発言にもうなづける。

>525円で利用時間も無制限であれば、1週間に1、2回程度の利用でも加入して損はない。


今現在、ケイタイにしろメールにしろ、その多くが意味の無いコンテンツのやり取りに利用されている。すなわち、「今、どこにいるの?」とか「何してるの?」といった内容である。しかしながら、ポケベルから始まり、ケイタイやケイタイメールの爆発的普及の一番の理由は、これにあるのではないだろうか?


価格の安さ・意味の無いコンテンツのやり取り、この2つを結びつけて考えてみると、上手くすれば、今回のライブドア参入は成功するかもしれない。法人利用だけではなく、若年層の加入者が増えれば、その中から新しい(潜在的な)需要が発掘できる可能性は高いはずだ。


正式サービス(10月1日)開始時には、JR山手線圏内80%がカバーエリアだそうだが、これが順調にで広がっていけば、無線LANエリアで都市全体が囲まれること(ホットシティの誕生)も夢ではなさそうだ!!